スタートアップには「開発速度プレミアム」もある
BRANK

Coral Capitalで投資を決めるときの基準の1つに、チームに優秀なエンジニアがいるかどうかということがあります。最近はシード投資に加えて、シリーズA・Bで出資することも増えましたが、その場合には開発チームや開発体制、技術スタックや設計方針などについて詳しくお聞きすることがあります。それはメンバーが優秀で事業ドメインやビジョンが優れていても、十分な開発スピードが保てなければ事業成長のボトルネックになり得ると考えているからです。逆に開発速度が圧倒的に速いことはmoatになると、個人的には考えています。これは自明な考えのようですが、実はそうでもありません。「売上マルチプル」について語られることはあっても「開発速度プレミアム」のような概念は、あまり聞いたことがありません。しかし、実はきわめて重要なのではないかと思っています。スタートアップのバリュエーションにおける売上マルチプル企業の価値を算定するとき、事業モデルが確立している企業であればDCF法を使うのは合理性があります。将来にわたって生み出されるフリーキャッシュフローを基本としつつ、不確実性や事業環境の変化による陳腐化を織り込んだ資本コストで割り引いた…

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