データエンジニアのためのオントロジー入門 ― Semantic Layer との違いと役割分担
DRANK
はじめに最近、データエンジニアリング界隈で「オントロジー」という言葉を見かける機会が増えてきました。X のポストやブログ記事でも、コンテキストエンジニアリングや AI エージェントの文脈で「オントロジー」が取り上げられることが増えています。X投稿: LLM のコンテキストとなりうるのかをざっくり押さえたうえで、データ基盤での Semantic Layer との役割分担について考えてみたいと思います。オントロジーとはオントロジーは特定のドメインの知識を概念や関係、属性として表現したものです。たとえば、「注文は顧客に紐づく」「顧客はメールアドレスを持つ」「注文は支払済、発送済みのステータスがある」のようなドメイン知識を、機械可読なかたちで記述する枠組みがオントロジーです。オントロジー自体は新しい考え方ではなく、医療ドメインの SNOMED CT(疾患・症状・検査・治療などの関係を整理した医療オントロジー)や、企業内の組織・プロセス・KPI を整理する Enterprise Ontology など、複雑なドメイン知識を構造化する用途で以前から使われてきました。LLM 文脈では、「オントロジーを構築する」とは、社内全体や特定の事業・部署に閉じたドメイン知識を…